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キャリアコンサルタントの試験団体ってどう選ぶの?CC協議会とJCDAの違いや試験内容について解説

キャリアコンサルタント試験を実施している団体は1つではないと知って、団体選びを迷っている方。

この記事を読むことでこんな疑問が解消できます。

この記事を読んで分かる事

・2つの試験団体の違いは?
・キャリアコンサルタント試験の内容はどう違うの?
・2つの試験団体の難易度に差はある?
・団体はどうやって選べばいいの?

それでは、キャリアコンサルタント試験を実施している団体について、共通点と相違点を知って団体選びの参考にしてくださいね。

キャリアコンサルタント試験は2つの団体が実施

キャリアコンサルタント試験は次の2つの団体が実施しています。

キャリアコンサルティング協議会(略称:CC協議会)
日本キャリア開発協会(略称:JCDA)

キャリアコンサルタントが国家資格となった2016年に、CC協議会とJCDAの2団体(厚生労働省登録試験機関)が指定を受けました。

2団体は試験の実施とキャリアコンサルタントの活動支援をしています。

キャリアコンサルティング協議会とは

キャリアコンサルティング協議会(略称:CC協議会)は、キャリアコンサルタントの資質確保活動とキャリアコンサルティングの普及啓発活動を行うことを目的として、2004年に設立された団体です。

キャリアコンサルタントになるためには、試験の合格後に指定機関で名簿登録をはじめとした手続きを行います。キャリアコンサルティング協議会は、キャリアコンサルタント資格の登録機関です。

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キャリアコンサルタントの上位資格として「キャリアコンサルティング技能士」という資格があります。

キャリアコンサルティング協議会は、キャリアコンサルティング技能検定(国家検定)の唯一の試験実施機関でもあります。

日本キャリア開発協会とは

日本キャリア開発協会は、「キャリアカウンセリング機能を社会システムとして具現化する」というビジョンを掲げて、2000年に設立された団体です。

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キャリアコンサルタントが国家資格になる以前から、「CDA資格」というキャリアカウンセラー資格の発行をしてきた団体であり、現在約2万人の会員を有するNPO法人です。

2つの試験団体の共通点

CC協議会とJCDAには共通点と相違点があります。

まずは団体選びでお迷いの方が知っておきたい、共通点3つについてご説明します。

取得できる資格は同じ

CC協議会とJCDAのどちらで受験しても、「国家資格キャリアコンサルタント」を取得できます。

そのため、キャリアコンサルタントの資格を取りたい場合は、試験団体選びにそこまで思い悩む必要はありません。

ただ、試験内容や特徴に違いがあるため、別章でご説明する相違点を知ったうえで選ぶと安心ですね。

受験料は同額

キャリアコンサルタント試験の受験料金は、どちらの試験団体でも38,800円です。

学科試験8,900円
実技試験29,900円
合計38,800円

受験料も合格後に行う登録の手続きにかかる登録にかかる費用も同額です。

学科試験は全く同じ

キャリアコンサルタント試験は学科試験と実技試験の2つの科目があり、学科と実技のそれぞれで合否が判定されます。

学科試験については、2つの団体で問題・評価軸・日時の全てが同一です。

四肢択一のマークシート方式の試験で、100点満点中70点以上の得点が合格基準です。

2つの試験団体の相違点

CC協議会とJCDAでは、実技試験の内容が異なります。

まずは実技試験の具体的な内容について見ていきましょう。

キャリアコンサルタントの実技試験内容

実技試験は論述試験と面接試験の2科目から構成されています。面接試験は受験者がキャリアコンサルタント役となり、相談者役にキャリアコンサルティングを行う試験です。

論述試験は、キャリアコンサルティングでのやり取りを記録した文章を読み、どのように支援するのか等を記述式で解答する試験です。

実技試験は論述と面接のそれぞれで、団体ごとに試験内容や評価軸が異なります。

論述試験は内容が異なる

論述試験はどちらの団体も記録を読んで、相談者の問題把握とキャリアコンサルティングの方向性を問われますが、記録形式と問題内容が異なります。

相談者が抱える問題の把握と、今後のキャリアコンサルティングの方針はどちらの団体でも問われます。

異なる点は事例記録と逐語記録という記録方式の違いです。

また、CC協議会は1つの相談例に対して相談者目線の問題点やキャリアコンサルタントの見立てが問われます。

一方JCDAは相談事例が2つのパターンに分かれており、指定された語句を使用して 2つの逐語記録の対応による違い等について問われる点が異なります。

面接試験の試験形式は同一

面接試験の出題形式はCC協議会とJCDAどちらも15分のロールプレイと5分の口頭試問という同様の形式です。

面接試験の評価項目が異なる

キャリアコンサルタント試験に合格基準として、面接の評価項目全てにおいて「満点の40%以上」の得点が必要です。

合格基準は両団体とも同様の得点ですが、評価項目が異なります。

CC協議会は「態度」「展開」「自己評価」の全ての評価項目で満点の40%以上の得点が合格基準です。

JCDAは「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」の全ての項目で満点の40%以上の得点が合格基準です。

CC協議会とJCDAそれぞれで重視する面接のポイントが違うため、団体に合わせた対策が必要ですね。

試験の申込先が違うので注意

キャリアコンサルタント試験の受験申請は約3カ月前に行いますが、申請先がCC協議会とJCDAで異なります。

団体ごとで実技の試験内容が異なるため、受けようと思っていた試験を受けられないことが無いように、申請する際HPを確認しましょう。

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どちらの団体も対応している養成講座が多いですが、一部の養成講座では対応している団体が決まっているため申請先を間違えないように注意が必要ですね。

試験団体による難易度の差はあるか?

実技試験の内容がCC協議会とJCDAによって違うことを説明してきましたが、難易度に差はあるのでしょうか?

結論として難易度に違いはありません。実際のCC協議会とJCDAの合格率について見ていきましょう。

2つの試験団体の合格率推移

こちらが第26回試験から最新第29回試験の合格推移です。

試験回によって合格率に多少の差はありますね。

しかし、大きな合格率の差はなく受験者数の違いがあることや、学科と実技別によっても実施回で合格率の上下が生じていることからも、どちらの試験団体も難易度に違いはないと言えるでしょう。

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試験回ごとに合格率に多少の差は出るものの、難易度の差やどちらかの団体で受けた方が合格に有利ということはありません。

キャリアコンサルタント試験団体を選びに迷ったら

キャリアコンサルタント試験の受験について、どちらの団体を選んでも難易度の違いや有利不利はありません。

そのため、試験団体選びにそこまで思い悩む必要はありません。

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とは言え、どちらの団体にしようか悩まれる方も多いので、実際に団体を選ぶ際に考慮したい4点についてご説明しますね。

①養成講座が対応している団体を選ぶ

すでに養成講座を決めている方は、ご自身のスクールが対応している試験団体を確認して団体を選びます。

これから養成講座を検討する方は、先に養成講座を決めて、スクールが対応している団体で選ぶのも方法の一つです。

ただし、両方の試験団体にも対応している養成講座が多いため、その場合は他の選び方を検討する必要がありますね。

②キャリアコンサルティング技能士の試験について検討

キャリアコンサルティング技能検定試験は、CC協議会が厚生労働大臣から指定を受けて試験を実施しています。

キャリアコンサルティング技能検定試験の実技試験の内容や評価軸は、CC協議会のキャリアコンサルタント試験と似た傾向にあります。

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もちろんJCDAのキャリアコンサルタント試験を勉強した方でも傾向を少し抑えれば問題なく解答できます。

同じ傾向の試験の方が安心感がある場合は、キャリアコンサルティング技能検定試験の内容を踏まえて判断する方法もあります。

③CDA資格取得を検討

日本キャリア開発協会はCDAという資格の認定を行っています。

CDAとはキャリアカウンセラー資格であり、相談者自らの気づきによって自己概念の成長を促す支援をすることに特徴があります。

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CDAには約2万人の会員がいるため、キャリアコンサルタントの資格取得後に同じ資格を持つ方とのつながりを重視したい方は、考慮するとよいでしょう。

④問題が解きやすいかどうか

CC協議会とJCDAでキャリアコンサルタント試験の実技の内容と評価軸が異なるため、実際に過去問を読んでご自身が理解しやすい、得点がとれやすい方を受験するというのも方法の一つです。

キャリアコンサルタントの試験団体の同異点まとめ

キャリアコンサルタント試験団体の、共通点と相違点についてご説明しました。

取得できる資格も難易度も違いはないので、養成講座がどちらの団体でも対応している場合、団体選びはそこまで熟考する必用はないでしょう。

ですが実技試験の内容と評価軸に違いはあるため、早めに団体を決めて試験対策に打ち込めると良いですね。

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