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未経験からキャリアコンサルタントになるには?資格取得の方法~期間や試験内容を解説

キャリアコンサルティングの知識や経験ない場合、国家資格キャリアコンサルタントを取得するにはどうしたら良いの?と思われている方。この記事を読むと次の悩みを解決できます。

この記事を読んで分かること

・キャリアコンサルタントのなり方は?
・最短何ヶ月で資格が取れる?
・試験内容と費用は?
・資格は難しい?
・独学で取得できる?
・働きながら取得できる?

それでは、キャリアコンサルタント資格取得の方法・流れ・期間・難易度・費用・試験内容について、キャリアコンサルタントになるために必要な事前知識を詳しく解説していきますね。

未経験でもキャリアコンサルタントになれる?

カウンセリング等の実務が未経験の方でも、キャリアコンサルタントの資格を取得することは可能です。

受験資格を得て国家試験に合格したのち、厚生労働省に備えるキャリアコンサルタント名簿へ登録することで、キャリアコンサルタントになることが出来ます。


キャリアコンサルタントの試験を受けるには受験資格があるため、未経験の方がキャリアコンサルタントになるには養成講習の修了が必要です。キャリアコンサルタントの受験資格や養成講習について、次章で詳しくご紹介します。

キャリアコンサルタントになるには? 

キャリアコンサルタントは「名称独占資格」なので、国家試験に合格して登録を行うことでキャリアコンサルタントと名乗ることができます。

キャリアコンサルタントの試験は誰でも受けられるわけではなく、受験資格を満たすことで受験できます

キャリアコンサルタント国家試験の受験資格

キャリアコンサルタントの試験を受けるためには、下記のいずれかを満たす必要があます。

受験資格
1:厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
2:労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
3:技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
*出典:厚生労働省「第21回キャリアコンサルタント試験結果の概要

実務経験が無い場合、厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント養成講習を修了することで受験資格が得られます。

キャリアコンサルティングの実務経験が3年以上あると判断された方は、養成講習の受講をせずに受験することが可能です。

養成講習の受講

厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント養成講習は2025年10月現在で22団体あります。認定を受けた養成講習からご自身に合った講習を選び、修了することでキャリアコンサルタント試験を受けることができます。

養成講習の期間は約3か月~6か月、通い又はオンラインで学びます。実施日時は平日昼間や夜間の講習から土日に実施される講習もあるので、ライフスタイルに合わせて選択できます。

独学での受験は可能?

実務経験が3年以上あると判断された場合は、独学でキャリアコンサルタント試験の勉強をして受験することが可能です。

例えば、教育機関で就職希望の学生に一対一で行う就職相談に3年以上従事した方などが該当する可能性があります。

キャリアコンサルタント試験の受験資格における「実務経験」に該当するかどうかは、以下のいずれの項目にも適合するかを基準に、個別に判断されます。

・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
・キャリアコンサルティングによる支援対象者が、「労働者」であること。(求職者を含む)
・相談の内容・目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関するものであること。
・キャリアコンサルティングが一対一で行われるもの、又は少人数のグループワークの運営等であること。但し情報提供に止まるもの、授業・訓練の運営そのもの等は含まない。

現在キャリアコンサルティングを仕事として行っている方は、実務経験に該当するかどうか、各試験実施機関のHPをご確認いただくことをお勧めします。

資格取得の流れ

キャリアコンサルタントになるには、受験資格を得てキャリアコンサルタント試験に合格し、厚生労働省に備えるキャリアコンサルタント名簿へ登録をします。

ここでは、受験資格を得たあとの流れについて見ていきましょう。

試験を受験する

養成講習の修了証を受け取ったあと、キャリアコンサルタント試験の受験申請が可能になります。試験日の約3か月前からWEBで申し込みできるようになります。

キャリアコンサルタントの国家試験は、次の2つの団体が実施しています。

・JCDA(日本キャリア開発協会)
・キャリアコンサルティング協議会


学科試験の日程はいずれも同じですが、実技試験の日程と開催場所が異なります。試験は年3回、概ね3月・7月・11月頃に実施されます。直近の開催日程はこちらです。

試験終了後の約1か月後に、学科試験と実技試験の合格が発表されます。学科と実技の両方に合格することで、キャリアコンサルタント名簿への登録が可能になります。

合格後に登録を行う

キャリアコンサルタントになるには、学科試験と実技試験の両方に合格したあと、厚生労働省のキャリアコンサルタント名簿へ登録を受ける必要があります。

国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターで申請手続きを行い、登録免許税及び登録手数料を納付します。審査が完了すると登録証が郵送される流れです。合格後に自動的に登録される仕組みではないため、期間内にご自身で登録を行います。

5年ごとに更新する

キャリアコンサルタントの資格を継続するには、5年ごとの更新が必要です。知識講習と技能講習を受講して、更新手続きを行います。

資格取得に必要な期間

養成講習の受講開始から登録証が届くまで、目安期間は約10ヶ月~12ヶ月です。例えば第32回試験に向けて3カ月の養成講習を受けた場合のスケジュールは下記の流れです。

養成講習の受講期間

講習の受講期間は団体によって異なりますが、週1回ペースで受講する場合は3ヶ月~4か月、隔週ペースで受講する場合は5ヶ月~6か月程度といった形式が見受けられます。

例えば毎週日曜開催の養成講習を2026年1から受講した方は、終了証が手元に届くのが2026年10月末頃です。希望の講習時期に受講できるように、早い段階で気になる講習の説明を聞けると安心ですね。

学習期間

講習の修了日から最短の国家試験日まで、最短でも数ヶ月の期間があるため、この間に試験対策を行います。スケジュールの一例として第32回の試験日程を見ていきましょう。

養成講習の修了(例)2026年3月
受験申請受付期間2026年4月10日~2026年4月21日
学科試験2026年7月5日 
合格発表2026年8月20日 

キャリアコンサルタント試験の受験申請受付期間が試験の約2ヶ月前に設定されているため、試験の受験まで最短でも数か月の期間が必要となります。どの試験日程を受けられる講習なのか、申込前にスケジュールの確認をしておくと良いですね。

登録証発行までの期間

登録申請を行ってから登録証が発行されるまで、目安として2か月間かかります。申請後の審査は4週間程度、登録証の交付に4週間程度必要です。

未経験から最短でキャリアコンサルタントになるには

未経験の方がキャリアコンサルタントになるは、養成講習を受講して直近の試験を受験するのが最短ルートです。

実務で受験資格を得る場合には3年以上かかるため、ゆっくりと時間をかけたい方は要件を確認のうえ経験を積むのも方法の一つですね。

試験までの日数と登録にかかる期間があるため、養成講習の受講開始から資格取得まで10か月~1年間を想定しておきましょう。

実際にキャリアコンサルタントになるまでにかかった期間

私は実務経験が1年だったので、養成講習を約4ヵ月受講してキャリアコンサルタントに合格しました。養成講習開始から登録までにかかった実際の期間は約10カ月半でした。

資格取得の流れを知る前は「講習をすぐ受けて直近の試験に申し込んだら4か月位で資格取れるかな」と考えていたので、資格取得までのスケジュールを知って予定を立て直しました。ご自身の計画が崩れることのないよう、期間の参考になれば幸いです。

試験の難易度

キャリアコンサルタントの過去5年の合格率は概ね5割~6割です。そのため国家試験の中では難易度は比較的低く、キャリアコンサルタントは取得しやすい資格と言えるでしょう。

下記が直近の29回試験の合格率と、最近の中で合格率が比較的低かった24回の合格率です。

第29回試験協議会JCDA
学科合格率72.4%73.6%
実技合格率64.2%64.5%
第24回試験協議会JCDA
学科合格率53.0%51.6%
実技合格率65.8%64.5%

実際に受験した主観ですが、「合格率も高いしそんなに勉強しなくても受かるだろう」と講習修了近くに気軽に過去問を解いたら、最初3割しか解けずとても焦りました。

試験範囲が広く得意不得意が分かれる内容も多いので、目安として200時間の勉強時間の確保ができるよう計画的に進められるといいですね。

キャリアコンサルタント試験の内容

キャリアコンサルタント国家試験は、学科試験と実技試験から構成されています。実技試験は論述と面接の2つの試験で構成されています。

学科試験

学科試験は四肢択一のマークシート形式で行われる筆記形式の試験です。


試験は厚生労働大臣が登録した、JCDA(日本キャリア開発協会)と キャリアコンサルティング協議の2つの機関で実施します。学科試験は2つの機関が同一日に同一内容で行われます。

学科試験の内容は、カウンセリング理論から、企業のキャリア形成支援の知識、労働市場や雇用の動向、学校教育制度やメンタルヘルスなどの知識まで幅広く出題されます。

実技試験

実技試験では、論述試験と面接試験の2つが実施されます。


論述試験は、相談内容が記された記録を読み、設問に回答する記述形式の試験です。

面接試験は、15分のロールプレイ形式試験と5分の口頭試問を行います。ロールプレイでは、受験者がキャリアコンサルタント役として、相談者役を相手にキャリアコンサルティングを行います。口頭試問では、15分のロールプレイについて試験官の質問に回答します。

資格取得にかかる費用

キャリアコンサルタントに関する費用として、①資格取得にかかる費用②更新費用の2種類があります。

資格取得にかかる費用は目安として約26万円~ですが、給付金が80%利用できた場合は目安として実質負担額は約12万円~です。更新にかかる費用としては平均10万円前後が目安です。

資格取得にかかる費用

キャリアコンサルタントの資格取得に必要な費用は「養成講習の受講費」「試験の受験料」「登録料」の3つです。

資格取得にかかる費用は目安として約26万円~ですが、給付金が80%利用できた場合は目安として約12万円~です。

更新にかかる費用

キャリアコンサルタントの国家資格を継続するには、登録日から5年ごとに更新手続きが必要です。

更新にかかる費用目安は10万円前後です。キャリアコンサルタント更新講習で知識講習8時間と技能講習30時間を修了し、登録満了日の30日前までに更新申請を行います。

働きながらキャリアコンサルタントの資格を取得できる?

キャリアコンサルタントの資格は、働きながらでも十分に取得可能です。

キャリコ
キャリコ

実際に私も会社員をしながら養成講習を受講していました。
養成講習の総時間数は約150~190時間です。講習の期間は3~5か月程のものが多く、土日祝や平日夜間のスクールもあるため働きながら勉強することが出来ます。


人事や人材派遣の仕事、管理職をしていらして現在の仕事に活かしたい方、スキルアップや転職に活かしたい方など様々な仕事をされている方が目指す資格です。

養成講習のスタイルは様々で、ご自身に合った場所や時間帯から選ぶことが出来ます。

抜けられない仕事や私生活での事情があった場合、範囲内の欠席や振替についても講習によって対応してくれる可能性もあります。ご自身のライフスタイルの中で、タイミングと形式に合った資格取得ができると良いですね。

キャリアコンサルタント資格の種類

キャリアコンサルタントの資格には、以下の2種類があります。

キャリアコンサルタント(国家資格)
キャリアコンサルティング技能検定(国家検定)

資格の位置付けを理解しておくことで、キャリアコンサルタントとしてどのようなステップがあるか理解できます。

キャリアコンサルティング技能検定

キャリアコンサルティング技能検定は、2008年に設けられた国家検定で、キャリアコンサルタントの上位資格です。

キャリアコンサルタントは国家資格、キャリアコンサルティング技能士は技能検定職種のひとつで、キャリアコンサルタント国家資格取得後の次のステップとして目指す方の多い資格です。

キャリアコンサルタントが標準レベルとされるに対し、キャリアコンサルティング技能士1級は指導レベル、2級は熟練レベルとして位置づけられています。

キャリコ
キャリコ

受験には実務経験が必要となるため、キャリアコンサルタント国家資格を取得した次のステップとして目指す方や、実務経験が長い方は受験を検討する資格です。

キャリアアドバイザー(CA)との違い

キャリアコンサルタントとキャリアアドバイザーの大きな違いは、資格の有無です。キャリアコンサルタントは名称独占の資格のため、キャリアコンサルタント国家資格を保有している人のみ名乗ることができます。

キャリアアドバイザー(CA)とは、一般的に転職を希望する求職者に対するサポートを行う職種を指します。企業によっては従業員への相談を受ける役割の方をキャリアアドバイザーと呼ぶ場合もあります。

まとめ

キャリアコンサルタントになるための、資格や期間・費用や試験内容等について説明してきました。大まかにまとめてみましょう。
①資格取得までの流れ

受験資格を得る(養成講習又は実務経験)→国家試験に合格する→キャリアコンサルタント名簿に登録をする

②キャリアコンサルタント資格取得にかかる日数

養成講習開始から登録証が届くまでの期間として約10ヶ月~12か月が目安


③資格取得にかかる費用

資格取得にかかる費用:目安として約26万円。給付金が80%利用できた場合は目安として実質負担額は約12万円~。
更新にかかる費用:目安として平均10万円前後


④試験内容

学科試験と実技試験から構成。学科の合格基準は100点満点中70点以上。実技の合格基準は150点満点で90点以上(論述試験は満点の40%以上の得点、かつ面接試験は評価区分ごとに満点の40%以上の得点が必要)

このような内容でしたね。資格取得をいつまでに取ろう、と考えていた方は思ったより期間が必要だと思われたかもしれません。

未経験の方がキャリアコンサルタントになるには養成講習の受講が最短ルートですが、養成講習を最短のものにしても約10ヶ月~12か月の期間が必要です。興味のある方は早めに養成講習の説明会などに参加されると安心ですね。

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